心筋梗塞の検査

検査を受ける

心筋梗塞の発症時に、生死の明暗を分けるのは、治療を受けるまでの時間です。早い段階で発見できればできるほど、体へのダメージが少なくなり、生存率も上がります。

そこで重要になってくるのが、病院での定期的な検査や診断です。定期検査の役割や、実際に行われている検査の内容を、詳しく解説します。

発見の早さが生死を分ける!検査や検診の重要性

心筋梗塞の要因は、生活習慣や遺伝など、さまざま。誰でも発症する可能性がある危険な病気です。発症したら、処置を施すまでの1分1秒が、生死の分かれ道に。そのため、少しでも違和感があったら、病院で診てもらうことはもちろん、定期的な検査が重要になります。

心臓ドッグ・人間ドッグは、心筋梗塞の恐れがあるかどうかをトータルでチェックしてくれるのでおすすめ。特に、日頃から脈の乱れや胸の痛みがある方や、不規則な食生活をしている方、ストレスを抱えている方は、発症のリスクが高いので、必ず受けるようにしましょう。

心筋梗塞は、自覚症状のないまま進行するケースも、少なくありません。一度の健康診断で異常なしだったという方も、慢心せず、定期的に受診するよう心がけましょう。

心筋梗塞の検査費用

心筋梗塞を含む心臓の検査に関して、大きな自覚症状がないという場合は、胸部レントゲン検査、心電図検査、血液検査などを受けることで心臓病の疑いがあるかどうか、確かめることができます。これらの検査は保険適用されますので、3割負担の4,000~5,000円程度で済むでしょう。また、精密検査における費用相場は以下のようになっています。

★心エコー…9,000円程度。保険のため、受診者負担は、3,000円程度。
★心臓カテーテル…40,000~90,000円程度。保険適用可能なため、受診者負担は15,000円~30,000円程度。数日間の入院を推奨する病院もあります。
★CT/冠動脈造影…45,000円程度。保険適用が可能で、受診者が実際に負担する金額は、15,000円程度。

日本人の死因のベスト3に入る心筋梗塞ですから、その検査に必要な費用は保険適用となっています。心配するほど高額ではありませんので、ぜひ受診を検討してください。

心筋梗塞の早期発見を目指す検査方法

心電図

心筋梗塞の検査の中で、最も大切な検査です。胸、手首、足首に電極装置を装着。心臓の動きによって起こる電気を波動にし、グラフとして映し出してくれます。そのグラフを見ることで、心疾患がないかの確認が可能。梗塞がある箇所も発見してくれます。検査の時点で胸に痛みを感じる時は、心電図を何度か行い、比較してみることで、正常か判断します。

心臓の拍動を心電図に表してみると、4つの波を繰り返していることがわかります。しかし心筋梗塞患者の心電図には、異常が現れており、4つの波が健常者とは異なる動きを示します。その内容をチェックしていくことで、心筋梗塞の早期発見に役立つことがあります。所要時間は5分程度と短く、痛みなどを感じることもない検査です。

心電図は会社などの健康診断の項目のひとつに含まれていることが多くなっていますが、そこで異常が認められた場合は、再検査の指示があるでしょう。その場合は心臓内科・循環器内科・循環器科の病院へ依頼することになります。放置せず、心電図はもちろん、レントゲンや血液検査などの基本的な診察を受けるようにして下さい。

血液検査

血液を検査することで、動脈硬化の原因となる、コレステロールの値を調べることができます。HDL(善玉コレステロール)とLDL(悪玉コレステロール)がバランスよく存在しているのが望ましく、どちらかが多かったり少なかったりすると注意が必要です。HDLの平均基準は、40㎎/dl以上と言われています。

★HDLコレステロール…善玉コレステロール。全身からコレステロールを回収して肝臓に戻す働きがあり、動脈硬化の予防に役立つ。
★LDLコレステロール…悪玉コレステロール。肝臓からコレステロールを全身に運ぶが、多すぎると血管に溜まる。

血液検査でコレステロール値に異常がある場合は、医師の指導を受けることになります。とは言え、胸痛などの自覚症状が発生していない場合、心筋梗塞発生の可能性までは明言できません。このため、その他の検査の併用や生活習慣の改善が指導されていくことになるでしょう。

また、心筋梗塞になった場合、CPK(クレアチンフォスフォキナーゼ)酵素が血液中に漏れ出すのですが、その値も調べることが可能。10,000単位以上の数値だと、疾患が疑われます。

CT検査/胸部X線検査(レントゲン)

肺を調べる検査(レントゲン)ではありますが、肺と一緒に心臓も画面に映るので、心筋梗塞が見つかる可能性があります。また、心臓の大きさをチェックして、心肥大の疾患を見つけることも可能。

またX線を使用して身体の断面を撮影するCT検査は、身体各部位の状態を正確に把握するために、非常に有用な検査法です。この検査を心臓に適用する場合は、主に冠動脈の状態を確認する目的があります。冠動脈とは心臓に血液を送る血管ですから、その状態を確かめることはとても重要。その結果は心筋梗塞の発見に、大いに貢献してくれます。

同様の検査結果が得られる「心臓カテーテル」という方法より侵襲性が低いため、安全性の高い方法としておすすめできます。痛みもほとんどなく、日帰り検査の実施が可能なので、受診の検討もしやすくなっています。

とは言え、いずれの方法も放射線被爆の可能性がゼロではありません。また必要に応じて用いられる薬剤のアレルギーについても、確認しておきましょう。

運動負荷心電図

心臓は、拍動のたびに微弱な電流を放出しています。この特質を利用し、拍動を検査するのが、心電図です。運動負荷心電図は安静時には見られない心電図変化を見出すための検査法であり、運動中、または運動直後の心電図を調べます。

この検査の目的は、安静時には発生しないが、日常生活の中の運動(階段や坂道の昇降や、駆け足など)中や運動後に起こる胸痛、動悸などの症状を再現することにあります。そのうえで心電図をとることで、心臓の病気がないかをチェックするのです。

運動負荷心電図は、患者に検査の場で実践してもらう運動法によって、種類が異なります。その代表例として「マスター2階段法」、「トレッドミル法」、「エルゴメーター法」が著名です。

心臓エコー検査

心エコー検査は、人間の耳には聞こえないくらい高周波数の超音波を心臓にあてたところで、反射されるエコーを受け取り、心臓の様子を画像に映し出します。この検査では、心臓のかたちや大きさ、そして血液の流れや速度を確認し、疾病の発見や治療方針の立案に役立てます。

X線撮影などのように、放射線被曝の心配がない検査なので、繰り返し行っても安全。痛みを感じることもありません。

こうした受診しやすさから、心エコーは心臓に関する疾患が疑われる人に実施される検査の、初期段階に採用されることが多くなっています。心エコー検査で何らかの異常が発見された場合は、次の段階へ進むことになります。

カテーテル検査/造影検査

カテーテル検査は、心電図や超音波検査などの不十分な点を補い、心疾患の状態や治療方針を定める際に役立ちます。血管のかたちや走行、疾病が引き起こす問題点を確認します。

カテーテルとは、柔らかい素材の細いチューブ。こちらを足の付け根や腕、手首などの静動脈から挿入し、血管に沿って先端を心臓まで到達させます。そこで心臓の働きや、病気の種類・重症度を詳しく調べることができます。

所要時間は30分~1時間程度。局所麻酔注射をするので痛みを感じませんが、数日の検査入院が必要です。侵襲性のある検査なのでリスクもありますが、その発生率は0.1~0.2%以下と低くなっています。