心臓はエンドレスで動き続けるエンジン

心臓はエンドレスで動き続けるエンジン

心筋梗塞や狭心症のリスクや予防について知る前に、まずここであらためて「心臓の役割」について説明しておきたいと思います。

そんなことは当然わかっていると思われるかもしれませんが、心臓がどれほど大切な臓器であるか、どれほど働き者の臓器であるか、どれほど危険にさらされているかを理解すると、どんな人にも心筋梗塞は起こりうる実感していただけるのではないかと思うからです。

心臓は筋肉のかたまりである

心臓は筋肉のかたまりである人間が寝ている間さえ一瞬も休むことなく働き続け、全身に酸素や栄養を循環させ続ける心臓。1分間に5~6リットルという大量の血液を送り出すために毎分70回以上、1日で10万回近くも収縮を繰り返します。個人差はありますが心臓はだいたい200~300g程度、握りこぶしひとつかりんごくらいの大きさしかありません。

 体重と比較すると200分の1ほどの大きさしかない小さな臓器が、人を生かすためのエンジンであり、絶えず収縮を繰り返す優秀なポンプでもあるわけです。ほかの臓器であれば多少の機能低下があってもなんとか生きていけますが、心臓には代わりになる存在がなくほんの少しの機能低下が命に関わる大問題につながります。

また心臓のほとんどはは手足などの筋肉と異なり、司令がなくても勝手に働いてくれる不随意筋といわれる筋肉である心筋でできています。心筋は非常に強く疲れ知らずの筋肉で、マッチョでたくましく不眠不休で動き続けてくれています。

ここでは、いわば筋肉のかたまりのような心臓の構造について簡単に説明しておきたいと思います。

心筋で構成された4つの部屋がある

心臓は右心房、右心室、左心房、左心室という4つの部屋で構成されています。右側と左側に2つの大きなポンプがあり、それぞれに血液を送り出す動脈と血液を受け入れる静脈があります。この4つの部屋は心筋

右心室は血液を肺に送り出す役割、右心房は体内を循環してきた血液を受け入れる役割を持ちます。また左心室は血液を体中に送り出す役割、左心房は肺を経由して酸素を多く含んだ血液を受け入れます。

この4つの部屋の壁を構成しているのが心筋です。心筋梗塞はこの心筋に酸素と血液が共有されず、心臓の細胞が壊死してしまう病気です。

心臓を動かすガソリンは冠動脈から供給される

司令がなくても動く不随意筋であると説明しましたが、心臓というエンジンが休まず動き続けるためにはガソリンが必要です。このガソリンを供給しているのが冠動脈という心臓の外側を囲むように走る動脈です。心筋はこの冠動脈から酸素や栄養などの活動エネルギーが供給されないと働くことができません。一瞬でもガス欠を起こせば命にかかわる、ということになるわけです。

冠動脈が血栓などの老廃物で狭くなったり、完全に塞がってしまったりすると、これまで休まず働いてきた心臓が動かなくなってしまいます。また冠動脈の収縮が正常に行なわれずけいれんを起こしたようになると、心筋が酸欠を起こし心室細動などの致死性不整脈を引き起こします。

心臓が正常に休みなく働くためには、冠動脈とそこを流れる血液に異常が生じるような危険因子を取り除く必要があるのですが、生活習慣や食習慣の中には心臓の仕事を邪魔するさまざまな要素があります。心筋梗塞や狭心症を予防するためには、心臓にやさしいライフスタイルに変えていくしかありません。

突然死のリスクを回避するために

死の四重奏といわれる内臓脂肪型肥満・高血圧・糖尿病・高脂血症、それに喫煙を加えて死の五重奏などといわれれる生活習慣病や危険因子を持っている人は、心筋梗塞のリスクが高い人です。

このサイトでは心筋梗塞が起こるメカニズムや血管病のおそろしさ、心筋梗塞や狭心症のリスクを回避するために必要な知識などについてまとめています。昨日までなにごともなく元気に過ごしていた大切な家族や友人、なにより働きざかりのあなた自身に突然、心筋梗塞や狭心症が起こるかもしれません。

休まず働いてくれる心臓の存在を当たり前と思わず、心筋梗塞や狭心症のリスクとつねに背中合わせであることを意識していただければと思います。

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