昔から健康にいいと言われている、発酵食品。味噌・チーズ・納豆・ヨーグルト・キムチなどがあげられます。それらに含まれるナットウキナーゼや乳酸菌は、心筋梗塞予防にも効果的。発酵食品に含まれる有効成分や、摂取するうえでの注意点をご紹介します。
発酵食品、とりわけ納豆は心筋梗塞予防にいいと言われている食品です。それは納豆に含まれている成分「ナットウキナーゼ」が血液をサラサラにしてくれるから。心筋梗塞の原因となる、血栓を防いでくれるのです。
ナットウキナーゼとは、納豆のネバネバに含まれているタンパク質を分解する酵素のことで、大豆が発酵する過程で作られます。このナットウキナーゼが、血栓のもととなるタンパク質「フィブリン」を溶かしてくれるので、血液がサラサラになるというわけです。
他にも、ヨーグルトに含まれる乳酸菌は、血栓予防に効果的。腸内の乳酸菌が増えると、血液中の悪玉コレステロールといった老廃物が排出されるので、血液がきれいになる効果が期待できます。
納豆は、古くから日本で愛される食品のひとつです。独特の匂いがあるため、好き嫌いが分かれますが、最近では匂いを抑えた納豆も開発されているのだとか。
ナットウキナーゼには、血栓の主成分を溶かす働きの他、血栓を溶かす酵素の働きを活性化させたり、酵素を作る組織を増やしたりする働きもあります。血液をサラサラにするためにいろいろな働きをしてくれるので、納豆は心筋梗塞予防の心強い味方といえるでしょう。
ただ、納豆には血液を固める働きをするビタミンK2も含まれているので、血栓症をもつ患者さんに処方される「ワーファリン」という薬を飲んでいる方は要注意。ビタミンK2の影響により、薬の効果が弱くなってしまうので、食べないようにしてください。
ヨーグルトは、乳酸菌や酵母の働きにより、ミルクが発酵したもの。美容や健康にいいと有名なヨーグルトですが、商品によって乳酸菌の種類が異なるので、目的に合わせて選ぶことが大切です。
心筋梗塞予防にいい乳酸菌は、乳酸菌シロタ株(ヤクルト菌)・クレモリス菌FC株・EF乳酸菌など。これらは腸内の悪玉菌を抑え、血液をきれいにしてくれます。むずかしい名前ですが、ヨーグルトを買う際は探してみてくださいね。
発酵食品は血液をサラサラにし、心筋梗塞のきっかけとなる血栓を予防してくれます。さらに胃腸の調子を整えたり、お肌をきれいにしてくれたりと、様々な効果が期待できるので、積極的に摂りたい食品です。
しかし健康にいいからといっても、食べすぎはNG。納豆なら1日1パック、ヨーグルトなら1日100~200gを目安に取るようにしましょう。