心筋梗塞の再発率とは?

急性心筋梗塞は、一旦初期治療で一命を取り留めたとしても再狭窄と言って、再び心筋梗塞を引き起こすリスクはゼロではありません。

心筋梗塞の再発率として、ここでは再狭窄率を基準に、心筋梗塞の再発率を考えてみましょう。

なぜ心筋梗塞は再発するのか

心筋梗塞は、胸の中央部分に重苦しく強い痛みを感じ、30分以上長くその状態が続くのが特長です。心筋梗塞の再発を考える上で、まずは心筋梗塞がどうして起こるのかをきちんと知っておく必要があります。

心筋梗塞とは、何らかの原因で心臓の冠動脈を流れる血流が止まってしまい、心筋に酸素や栄養が送られなくなってしまう病気です。心筋の一部が壊死してしまう心筋梗塞の直接的な原因は喫煙や急激な血圧変化、動脈硬化などなど、いろいろな原因が重なり合いできる血栓です。

そのため、心筋梗塞の発作を発症後、運良く一命を取り留めたとしても、血栓ができやすい状況が変わらなければ、再発するリスクは当然高くなります。

心筋梗塞は、冠動脈の血流がほとんど止まって通じなくなり、酸欠と栄養不足から、心筋の一部が壊(え) 死(し) するほど悪化した状態をいいます。 心筋梗塞は、動脈内にできたプラーク(コレステロールが蓄積してできた動脈硬化病巣)が破綻し、その破綻部に血栓ができることで起こります。

出典:(PDF) 国立循環器病研究センター|循環器病情報サービス「[92]心筋梗塞が起こったら」[PDF]

心筋梗塞の再発率

心筋梗塞を一度発症した人の再梗塞率は、今まで心筋梗塞を発症したことのない方と比べて10倍以上も高くなります。心筋梗塞の再発率は急性期心筋梗塞時に採用した治療法によっても異なります。例えば、心筋梗塞の外科手術である冠動脈バイパス術を受けた患者さんの再発率は術後5年で3%以下。術後10年では20%前後と言われています。

1994年Yusufらによる7編のランダム化試験を統合した2,649人のメタ解析の結果から,安定冠動脈疾患患者(左主幹部病変6.6%,左前下行枝近位部病変59.4%,1枝病変10.2%,2枝病変32.4%,3枝病変50.6%,糖尿病合併9.6%)に対するCABGは初期内科治療(37.4%が経過中にCABG施行)と比較して生命予後が良好であり,CABG自体が生命予後改善効果を有することが証明されている.この生命予後改善効果は5年目から顕著になり10年目まで持続する.

〜中略〜

3年目の結果ではCABGと比較してDESは死亡率(CABG vs. DES: 6.7% vs. 8.6%),脳梗塞発症率(3.4%vs.2.0%)に有意差を認めなかったが,心筋梗塞発症率(3.6%vs. 7.1%)と再血行再建率(10.7%vs. 19.7%)は高率であった.

出典:(PDF) 「虚血性心疾患に対するバイパスグラフトと手術術式の選択ガイドライン(2011年改訂版)」2012更新版 [PDF]

心筋梗塞の再発率と年齢の関係

心筋梗塞の再発率は、年齢というファクターから検討すると」70歳以上で高くなる傾向があることがこれまでの研究でわかっています。年齢的な要素に加えて、再発率に影響を与える要因としては、糖尿病の有無や喫煙歴の有無なども盈虚していると」考えられます。

心筋梗塞症慢性期の予後規定因子についての多変量解析による検討では,心臓死のハザード(瞬時死亡確率)の大きさは70歳以上,急性期心不全,糖尿病,多枝病変の順であった。心筋梗塞発症時の年齢が高いほど,慢性期予後が不良であるとの報告が多い14)。しかし,心筋梗塞症患者の生存曲線を年代別に健常者の生存曲線と比較すると,高齢者 ほどその差が小さくなることから,年齢を独立した予後規定因子とすることへの反論 もある。高齢者は他の予後規定因子を重複して有している例が多く,年齢以外の因子を重視する考えもある。今回検討した予後規定因子のなかに喫煙は含まれていない。患者診療録とアンケート法を用いた今回の調査では,観察期間中の喫煙状況の把握が十分ではなかった。対象の発症前の喫煙率は男76%,女9%であった。心筋梗塞症を発症する男性の喫煙率は,同年代の一般男性に比べて高いとは思われる。

出典:(PDF) 「心筋梗塞症生存退院例の予後調査」青木、1999 [PDF]

心筋梗塞が再発しないようにするには

ここまで見てきた通り、心筋梗塞は再発のリスクと常に隣り合わせにある病気といえます。そのため心筋梗塞を発症して一命を取り留めたとしても、再発リスクを下げるためには生活習慣を見直して、血栓ができにくい体作りに取り組むことが大切です。

例えば禁煙や過度な飲酒を控えることはすぐに取り組める再発予防対策です。また、1日最低30分間、週3〜4回の有酸素運動も有効です。食事面では、高血圧を防ぐために塩分は1日6グラム以下に減塩する、体重管理をするなどが挙げられます。

薬物療法などの手段もありますから、かかりつけのドクターと一緒に再発しないための生活習慣や治療法について、しっかりと話し合い、実践しましょう。