心筋梗塞の原因/ストレス

ストレスが心筋梗塞の原因になるのはなぜか

心筋梗塞といえば、食生活や生活習慣の乱れで血管が徐々に硬化した挙句、引き起こされる病気という認識があります。もちろん間違ってはいないのですが、ストレスにより心筋梗塞が引き起こされることもあります

たとえば勤務している日の血圧と休日の血圧を比較すると、明らかに仕事をしている日の血圧のほうが高い、ということがいわれているそうです。職場で緊張状態が続くと、知らず知らずのうちにストレスがかかり血圧が上がります。ある論文によると「働いている人の心筋梗塞発症は、特に月曜日にピークがある」と報告されているそうです(持田製薬/知って得する「高血圧治療のポイント」より)。

ストレスは血圧や血糖値、コレステロール値を急上昇させ、消化器系の働きを抑制し、血栓を作りやすくしてしまいます。ストレスが長期間持続してしまうと、動脈硬化や心臓の左室肥大、狭心症、心筋梗塞を引き起こすリスクが非常に高まります。交感神経と副交感神経、自律神経のバランスの崩れが原因で血圧が上がることもわかっています。仕事などで慢性的なストレスに曝されている人は、毎日血圧を測りリスクを知ることが肝心です。

さらに普段や健康診断などで血圧を測ると正常値であるにもかかわらず、まるで大波が押し寄せるように血圧が変動するという「血圧サージ」という症状が心筋梗塞や狭心症、脳梗塞などの循環器系の疾患を引き起こす原因となると、NHKスペシャル『血圧サージが危ない~命を縮める「血圧の高波」~』(2017年10月29日放送)で取り上げられ、「血圧サージ」という耳慣れない言葉が一挙に急上昇ワードになるほど注目を集めました。

データでわかるストレスの恐さ

2004年に、急性心筋梗塞と精神的ストレスとの関連を調べた興味深い国際研究の結果が発表されました。

対象となったのは、52ヶ国・約25,000人の人々。約11,100人の急性心筋梗塞患者と、そうでない約13,650人ついて、社会的ストレス、抑うつの有無を点数化して調べたのです。すると、社会的ストレスや抑うつ症状のある人は、そうでない人に比べ、約1.6倍心筋梗塞になりやすいことがわかりました

こうしたデータに立証されているように、ストレスは心筋梗塞発生の大きな原因ともなりかねません。ストレスに負けることが恥ずかしい、という考え方もありますが、長い目で見て健康的な生活を送るためには、注意が必要です。

ストレスが影響するのは自律神経の働き

ここでさらに詳しく、ストレスと心臓病の関係を見ていきましょう。

人間の自律神経が交感神経/副交感神経のふたつから成り立っているのをご存知でしょうか。

交感神経は仕事の現場などで活発に動き回ったり、緊張したりする時に優勢となります。副交感神経は、心身がリラックスしている状態の時に優勢となります。

交感神経が活性化されると、脈拍が速くなり、血圧も上昇します。逆に副交感神経が優勢な時は、脈が遅くなり、血圧も安定します。日常生活の中ではどちらの働きも有益ですが、副交感神経が優勢な時間がなければ、身体は参ってしまうでしょう

ここで問題になるのが、ストレスです。生活の中で絶え間ないストレスに悩まされていると、交感神経が常に優勢な状態となってしまいます。心が休まらないのはもちろんですが、高血圧の状態が続くことで心臓にも負担をかけ、血液がドロドロになり、心臓病を誘発させるのではないかと考えられています。

またストレスからの逃避を図るあまり、過食や飲酒、喫煙などに走ってしまうことが、悪循環を生むことも懸念されるのです。

働く人の6割はストレスに悩まされている

とは言え、ストレス社会と言われる現代で、満やプレッシャーから完全に自由になることは、かなり困難です。厚生労働省の調査によると「働く人の6割がストレスに悩まされている」という結果も出ています。

社会的ストレスや精神的ストレスは、高い確率でうつ病や循環器疾患を発生させます。うつ状態の人は、そうでない人に比べ、脳卒中は約2倍、虚血性心疾患は約7倍発生している、というデータもあるようです。

ストレスを抱え込まないために

毎日の生活の中では、どうしてもストレスを避けることができませんが、抱え込まないための工夫は必要です。以下を参考にしてください。

★無理せず休む
休むのがなかなかむずかしい、という意見もわかりますが、心身が動かなくなってしまうようでは元も子もありません。仕事が休めないなら、プライベートな予定を思い切ってキャンセルするなどの勇気を。休息のリフレッシュ効果を再確認して下さい。

★気分転換を上手に
ストレス発生の源に捕らわれていると、マイナス思考に陥りがち。趣味に没頭したり、その内容を通じて交友関係を広げたりして、気分転換を図りましょう。頭にエネルギーを回し過ぎているときは、運動で身体を動かすのも有効です。

★家族や友人、恋人との時間を大切にする
愛情を感じたり、受け取ったりすることは、ストレス緩和に強く役立ってくれます。ただし、人間関係で新たなストレスを生まないよう、充分な配慮を。

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