心筋梗塞でかかる費用は?治療費と入院費の目安

1.心筋梗塞の治療費は?入院費は?一見すると法外な金額ですが・・・

心筋梗塞は手術が必要なこともある大きな病気です。治療はもちろん検査も入院が必要なケースもあり、手術の種類によっては額面だけ見るとひと財産吹き飛びそうな金額になります。

あなたが国民健康保険などに加入していれば実質請求される金額は請求金額よりはるかに少ないので過度な心配は不要です。しかし、自分の治療にどれだけの手間と費用がかかっているかを知るのはとても大事です。

費用は患者さんの年齢と所得に応じて若干異なります。

ペースメーカー移植(入院7日ほど) 69歳以下の方(3割負担)70万円
70歳以上の方(3割負担)12万円
70歳以上の方(2割負担・1割負担)6万円弱
両心室ペースメーカー移植(入院10日ほど) 69歳以下の方(3割負担)100万円
70歳以上の方(3割負担)12万円
70歳以上の方(2割負担・1割負担)6万円弱
血管移植・バイパス手術(入院14日ほど) 69歳以下の方(3割負担)80万円
70歳以上の方(3割負担)12万円
70歳以上の方(2割負担・1割負担)6万円弱

比較的シンプルと言われる手術の治療費だけでこれだけ必要です。さらに、食費は別途請求、個室などを使った場合は個室代も請求されます。
さらに難しい手術になると費用は跳ね上がり、69歳以下の方だと200万円近い額が必要になることもあります。目眩がしそうな金額ですが、日本にはアメリカのように医療で破産しない仕組みがあります。

2.保険適用について。高額医療費控除で安心して治療が受けられます。

心筋梗塞の入院は3割負担でも高額になります。そのため、国民の負担をできるだけ減らすために「高額医療費控除」という制度があります。

「健康保険高額医療費支給申請書」という書類を提出すれば、入院する方の所得に応じて無理なく払える程度の額まで控除できます。申請書は入院中に提出すると費用を抑えられます。控除限度額は所得や年齢によって異なります。

4月~6月の所得に応じて43段階に分けて計算をします(標準報酬月額)。各種控除もすべて標準報酬月額に含まれるため、扶養家族がいるご家庭や各種手当(通勤手当除く)が多い方は等級が高くなり、自己負担の割合が増えます。

70歳未満は5つの区分に分かれます

70歳未満の方の自己負担限度額は以下になります。

区分ア
(標準報酬月額83万円以上・報酬月額81万円以上)
252,600円+(総医療費-842,000円)×1%
区分イ
(標準報酬月額53万円~79万円・報酬月額51万5千円以上~81万円未満)
167,400円+(総医療費-558,000円)×1%
区分ウ
(標準報酬月額28万円~50万円・報酬月額27万円以上~51万5千円未満)
80,100円+(総医療費-267,000円)×1%
区分エ
(標準報酬月額26万円以下・報酬月額27万円未満)
一律57,600円
区分オ
(低所得者・被保険者が市区町村民税の非課税者等)
一律35,400円

たとえば、合計250万円の医療を受けた場合、1か月分の医療費は以下になります。
区分ア 288,600円
区分イ 186,820円
区分ウ 102,430円
区分エ 57,600円
区分オ 35,400円

70歳以上75歳未満の方は大幅に下がる方が大半

70歳以上になると、自己負担限度額は大きく減ります。

①現役並み所得者
(標準報酬月額28万円以上で高齢受給者証の負担割合3割)
80,100円+(医療費-267,000円)×1%
②一般所得者(①および③以外の方) 一律57,600円
③低所得者Ⅱ
(被保険者本人のみ市区町村民税の非課税者等)
一律24,600円
③低所得者Ⅰ(被保険者とその扶養家族全員の収入から必要経費・控除額を除いた後の所得がない場合) 一律15,000円

① の方の場合、250万円の医療を受けた場合は102,430円になります。

ただし、高額医療費控除は払い戻しに時間がかかります。そのため、70歳未満の方の負担を減らすために入院中に「限度額適用認定証」を発行してもらい、先払いで高額医療費控除を適用します。多くの病院では入院中に病院の会計の方が説明に来ますが、気になる時は看護師さんに相談しましょう。

3.高額医療費控除の落とし穴にご用心!費用は「月単位」で請求されます!

高額医療控除は大幅に費用を控除してくれる大変良い制度ですが、落とし穴もあります。
保険適用は月単位で計算を行います。心筋梗塞の治療や入院は長期入院になることもあり、月をまたいで治療費を請求されるケースがよくあります。

2か月分の医療請求をされる場合

たとえば、「4月25日に心臓バイパス手術で入院→5月15日に退院」の場合は、「4月分の治療費の合計から保険適用を引いた額」と「5月分の治療費合計から保険適用を引いた額」の2回請求されます。高額医療費控除も月単位で計算するため、2か月分請求されます。

そのため、長期入院の場合は合計額が30万円以上になることも珍しくありません。

4.食事は「入院時食事療養費」という別枠で計算します。

入院で見落としがちなのは食事の費用です。食事の費用は「入院時食事療養費」という別枠で計算します。以前は1日単位で請求されましたが、日帰り入院などの普及もあり、現在は1食単位で請求されます。

1食あたりの金額
一般の方 360円(平成30年4月より460円)
住民税非課税世帯の方 210円
住民税非課税世帯の方で過去1年間の入院日数が90日を超えている場合 160円
住民税非課税世帯に属し、かつ所得が一定基準に満たない70歳以上の高齢受給者 100円

治療費よりは控除率は低く、長期入院ではかなりの金額になります。一般の方は1日1080円、2018年4月からは1380円になります。
慌てないためにも、普段から医療費を貯金するか、安価な掛け捨ての民間医療保険に加入しておきましょう。

【参考】