すぐできる血管病の予防対策

心筋梗塞や狭心症、脳梗塞など命にかかわる血管病の3つの予防策として「禁煙」「食事療法」「有酸素運動」を挙げ、わかりやすく説明してきます。決して難しいことではありませんが、いざ実行に移すとなるとなかなか継続できない人も少なくありません。

血管病のリスクを下げる行動をたった3つだけ、今日から守ってみてはいかがでしょう。

血管病の予防対策として実践すべき3つの行動

禁煙する

タバコを吸うことは、血管病のリスクを大きく高めます。一服するごとに、血管が収縮し、血圧は急上昇して、毎回心臓に負担がかかるからです。

そのうえ、体内に一酸化炭素が充満し、酸素が不足気味という状態に。その結果、血液の流れも悪くなり、心臓機能がどんどん低下してしまうのです。

タバコに含まれる酸化物質は血管の内部を傷つけ、細胞を壊してしまいます。

さらに、善玉(HDL)コレステロールを減らす一方、悪玉(LDL)コレステロールを増加させ、最終的に動脈硬化につながっていくのです。

そうは言っても、長年吸い続けたタバコを急にやめるのは大変難しいですよね。おすすめは、病院の禁煙外来の受診です。

医師のサポートがあれば、計画的に禁煙に取り組むことができます。薬も処方してくれるので、一人で禁煙するより、成功できる可能性は高いでしょう。

その他の禁煙方法として、ニコチンガムニコチンパッチを利用するなどがあります。こちらは手軽に始められますが、第三者のサポートがないため、ご自身の強い意志が必要です。

食事療法を取り入れる(ビタミン・ミネラル・EPAなどバランスの取れた食事)

毎日の食事の色を改めて思い出してください。茶色や白っぽい色ばかりで色味のないメニューばかり食べていませんか? ラーメンやそばだけ、おにぎりにカップめんなど炭水化物中心の食事はビタミンやミネラル、EPAやDHAなど血管の健康維持に必要なオメガ3脂肪酸などが不足している食材で構成されています。

動脈硬化の危険因子には喫煙や高血圧などさまざまなものがありますが、もうひとつ大きな要因となっているのが「酸化ストレス」。加齢と共にこの酸化ストレスは増えていく傾向にあるため、抗酸化作用のある成分を積極的に摂取する必要があります。酸化ストレスに有効なビタミンは、ビタミンC、ビタミンA、ビタミンEなどがありますが、どれかひとつの成分を集中して摂取するのではなく、バランスの取れた食事をすることが大切です。

動脈硬化を発症した人の特徴としてミネラルの不足が挙げられるという説がありますが、「主食・主菜・副菜・果物や発酵食品」という基本に忠実な献立の食事をするように心がければ、ミネラルもビタミンも摂取できるはずです。

とくに青魚に含まれるEPAには、悪玉コレステロール値を下げ中性脂肪を減らすことが報告されていますし、血管の拡張作用があることも報告されています。欧米では中高年層が摂るべきサプリのなかでも、かなりメジャーな成分として認知されています。日本ではお刺身や焼き魚、煮魚など魚を食べる習慣があったためあまり需要はありませんでしたが、最近は肉食中心の中高年層も増えたため日本も欧米と同じようにEPAやDHAが不足している傾向にあります。

さらに山口大学医学部の小林誠教授のチームによる研究で、特定のEPAには冠攣縮性狭心症や心筋梗塞の原因となる血管の異常収縮を抑制する働きを持っていることが明らかになっており、安静時(就寝中)などに起こる致死性不整脈などの予防にも貢献する可能性が示唆されています。

国立循環器病研究センターが運営している「循環器病情報サービス」というサイトの中で、食事療法についての詳細が説明されています。減塩食、低脂肪食、コレステロールやアルコールの制限、糖質制限、摂取カロリーの制限など細かく書かれていますが、すべてを厳守するというよりは、いまの食生活を見直す際の参考としてチェックすると良いと思います。

国立循環器研究センター「食事療法について」をチェックする>>

また先ほど紹介した小林教授が発見した「血管の異常収縮を予防するEPA(小林式EPA)」についてくわしく知りたい方は、下記バナーをクリックしてください(外部のサイトにリンクしています)。

小林教授が研究したEPAについてくわしく見る>>

有酸素運動を取り入れる

適度に運動することは、血圧の数値を下げる効果や、善玉コレステロールを下げ、血管病を予防する効果があります。

有酸素運動の中でも、もっとも簡単に取り組めるのが「ウォーキング」です。一日30分~40分を、週3~4回行えると理想的。

体への負担を少なくして、運動を長めに持続することが重要です。呼吸を意識し、全力の40%~60%で行いましょう。もじわじわと感じる程度が、有酸素運動として効果的な強度といえます。

運動する時間を作るのはちょっと難しいという人は、最寄り駅の一つ先の駅から歩いて自宅へ戻ってみたり、エレベーターに乗らず、階段を利用したりするのがおすすめ。通勤時間などのスキマ時間を使って、有酸素運動を取り入れてみてください。

血管と血液の健康なくして長寿なし

喫煙習慣のない人であれば、ひと目で鮮やかなビタミンカラーが飛び込んでくるようなメニューを選び、脂質や塩分を控えめにした旬の食材を食事に取り入れるだけでも、食事療法の第一歩を踏み出せます。

いつもより長く歩くこと、階段の昇り降りなどは通勤時に少し意識すればできることですし、毎日青魚を食べることは現実的ではないので手軽にサプリメントを活用してもいいと思います。とにかくできないことを数えるより、できることをひとつだけでもいいので実行してみること。ひとつできれば、きっと次のステップに進むことができるはずです。

なにも制限せず、なにもガマンせず、なにも変えずに生活し続けた結果、何が起こるかはだれにも予測できません。確実にいえることは「自分だけは大丈夫」と思わないほうがいい、ということです。血管と血液の健康なくして、健康寿命を延ばすことは難しいということだけは確かです。

今、体に何も異変がないからといって油断してはダメ。発症したときはすでに手遅れになるかもしれませんので、すぐにでも生活習慣を見直し、血管病予防を心がけることをお勧めします。