【Q&A】心筋梗塞は完治できる?

Q.一度心筋梗塞を起こしても治療すれば心臓は完治しますか?

A.狭心症と違い、心筋梗塞は心筋が壊死してしまう病気です。心筋には再生能力がないため、壊死した心筋が元に戻ることはありません。残念ながら、一度心筋梗塞を起こしてしまうと、心臓の機能を完全に取り戻すことはできないのです。

治療のゴールデンタイムは6時間

動脈硬化や血栓症などが原因で心臓の冠動脈が詰まると、血流が途絶えた領域への酸素や栄養の供給が止まってしまい、やがてその中心部から心筋の壊死が始まります。血流が止まったからといって、すぐに心筋の細胞が死んでしまうわけではありませんが、その状態が続くと時間が経つにつれ、壊死が周辺の組織へどんどん広がっていってしまいます。

心筋梗塞の発作が起きても、早い段階で適切な治療を受け、冠動脈の血流を回復することができれば、死にかけていた細胞は生き返り、元の機能を果たすようになります。一般的に、血流が途絶えてから心筋が完全に壊死してしまうまでの平均時間は5~6時間。そのため、発作が起きてから6時間が細胞の生死を分ける「心筋梗塞治療のゴールデンタイム」と言われています。

心筋が壊死すると心臓のポンプ機能は回復しない?

一度壊死してしまった心臓の筋肉は二度と再生しません。心筋梗塞が起きてからしばらくすると、周囲の健康な組織から新しい血管が伸びてきて、壊死した部分を治癒するのですが、筋肉としての機能は回復しないのです。そのため、壊死した部分の心臓は以前のようにうまく伸び縮みできません。つまり、壊死が生じた範囲に応じて、心臓のポンプ機能が低下してしまうのです。ひどい場合は、1回の心筋梗塞で正常時の3分の1までポンプ機能が低下してしまうこともあります。

しかし、心臓の機能が回復する可能性がないわけではありません。周囲の健康な組織が、失われた心筋の働きをカバーするように動き、心臓全体としてのポンプ機能が回復するケースもあります。心筋梗塞を発症してしまったら、速やかに治療を受けて心筋の壊死を最小限にとどめ、残りの心臓(心筋)でカバーできるように再発予防をすることが何よりも重要です。

心筋梗塞の後遺症にはどのようなものがある?

心筋が壊死してしまった場合、次のような後遺症が現れることがあります。

不整脈

心室期外収縮や心室頻拍といった不整脈を発症するリスクが高まります。こうした不整脈は、心筋が壊死することで心臓の収縮リズムが狂うことによって起こります。場合によっては致死性不整脈を誘発する危険性もあるため、心室細動を予防する植え込み型の除細動器を埋め込む治療が必要になることもあります。

心不全

心筋のダメージが広範囲にわたると、心臓のポンプ機能が低下するために心不全を起こすことがあります。壊死した部分の大きさ次第では、心筋梗塞の治療と並行して、心不全の治療をする必要があります。血液の循環機能が衰えるため、肺循環系にうっ血を生じうることがあり、肺うっ血、肺水腫、呼吸困難といった症状が現れる場合もあります。

「呼吸器Q&A」日本呼吸器学会

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